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【1】やりたいこと
(1) 5年ぶりに 3Dプリンターを購入
2019年1月に FlashForgeの Adventurer3を購入し、3Dプリントを楽しんできた。
2024年3月に、ふとしたきっかけで Bambu Labの P1S Comboなる 3Dプリンターに興味を持ち…
衝動買いに近いが、5年ぶりに 3Dプリンターを購入することにした。
★公式サイト https://bambulab.com/ja-jp/p1
買い替えを決断した最大の理由は、
P1Sのマルチカラープリントに魅力を感じたから。
今まで使っていた FlashForgeの Adventurer3では、以下の手順でマルチカラープリントを実現していた。
1) スライサーソフト上の設定で、プリント色の変わり目でプリントを停止するように設定する。
2) プリントが自動停止したら、手作業でフィラメントを交換する。
3) プリントを再開する。 ※この時に、出だしノズルから垂れてくるフィラメントを手で取り除く必要あり。←①
この手順でうまく多色刷りができるのだが、P1Sではこれが自動化されているのだ。
特に ① が自動化されている点が魅力だ。
(2) まず最初にやりたいことは?
3Dプリンターでレゴのパーツを作りたい。
懸念点:
FDM方式の 3Dプリンターを使うので、樹脂の溶解+重力、振動により、設計サイズとの差異が生じてしまう。
微妙なサイズ差でもブロックはうまく嵌らない。(きつい、ゆるい)
使う3Dプリンター、使うフィラメント、台座の温度などのパラメーターにより変動する可能性もある。
↓
自作のレゴ互換パーツをモデリングする前に、
自分の使用環境で既製品のレゴブロックにぴったりと嵌るサイズを確認しておきたい。
まずは、ポッチのサイズを確認しておく。
ちなみにこのポッチの正式名称は stud と言うそうな。
【2】やってみる
(1) studのサイズを計測
ノギスを使ってポッチのサイズを計測してみた。
ポッチ(=stud)のサイズの実測値は 4.7 ~ 4.8[mm] だ。
(1) ポッチサイズ確認用治具をモデリング&3Dプリント
3Dプリントでは、
モデルのサイズ ≠ 造形物のサイズ
なので、この差を考慮してモデリングする必要がある。
前記のようにポッチのサイズは直径 4.8[mm]なので、まずはその近辺の候補 4種類をプリントしてみた。
直径 | 半径 |
4.76 | 2.38 |
4.78 | 2.39 |
4.80 | 2.40 |
4.82 | 2.41 |
Blenderで 3Dプリント用に mm単位でモデリングしたい場合の環境設定は、過去記事(↓)に記載。
(75) 【Blender 2.9】3Dプリンター用に mm単位でオブジェクトを編集する。
上記のモデルを 3Dプリントする。
この中で、レゴのミニフィグの頭パーツがぴったりフィットする造形サイズを確認したいのだ。
で、プリント結果は…
あれっ…
直径 4.8[mm]でモデリングした円柱の実測値が、4.6[mm]だ。
レゴブロックを嵌めてみると、当然ブカブカで使い物にならない…
そこで、以下のサイズでモデリングし直した。(単位は mm)
直径 | 半径 |
4.98 | 2.49 |
5.00 | 2.50 |
5.02 | 2.51 |
5.04 | 2.52 |
で、プリント結果は…
ぴったりだ!
でも、
5.0[mm]でモデリングしたものが
4.7[mm]でプリントされてしまった…
嵌合はぴったりなんだけれども、縮小率(≒誤差)が大きいなぁ…
因みに、スライサーソフトがデフォルトで決めたノズルの温度、台座の温度は以下の通り。
他の 3Dプリンターで PLAフィラメントを使うときも、ほぼ同じ設定だ。
【3】まとめ
自分が使っている環境では、ポッチ (=stud) を造形時には、実際のサイズに対して以下のようにモデリングすること。(単位は mm)
凸部外径 | 凹部内径 | |
実寸(=造形出力時に期待するサイズ) | 4.8 | 5.0 |
モデリングサイズ | 5.0 | 5.13 |
つまり…
実際よりも少し大きめにモデリングしておくと、
造形時に実寸に近い大きさで造形されるということ。
つまり…
造形時の樹脂の縮みを考慮してモデリングしておく必要がある
ということ。
備忘録:
凹部内径については、5.2では緩く、5.1ではきつく、5.15でも微妙で…
いろいろ試した結果、現状では 5.13で造形した物が 5.0で出力されて、凹凸がぴったり嵌合する。
でも、これはプリントした都度に変わりそうな予感…
【4】所感
レゴブロックにぴったりと嵌るポッチのモデリングサイズが決定した。
レゴのポッチ直径 4.8[mm]は、直径 5.0[mm]でモデリングすること。
数値がわかったのはうれしいことだが、マイナス 4%の差は大きくないか?
今まで使っていた Adventurer3は、水平方向でこんなに大きな誤差は出なかったぞ…
Bambu Lab P1Sを入手してまだ 2日目だが、プリント精度に大きな不安を感じてしまった。
現状は、Bambu Lab純正のスライサーソフトに設定を任せているので、パラメーターを追い込めばプリント精度が上がるのかもしれない。
やはり家電のように全自動とは行かないか… orz
【5】追記:CUBEオブジェクトを造形して精度を確認
上記【4】所感に記したように、新しく購入した 3Dプリンターの造形精度に不安を覚えた。
そこで…
単純な矩形を組み合わせたオブジェクトを造形し、その精度を確認してみた。
この先 BOX型のオブジェクトを 3Dプリントする機会は多いはずだから、不安を払しょくしておきたいと思った次第だ。
造形したのはこんなオブジェクトだ。
一辺が 10[mm]の立方体を組み合わせたものだ。
(1) Z方向(=鉛直方向)の造形精度
FlashForgeの Adventurer3では Z方向が重力で縮むことが多かったが、Bambu Lab P1Sでは目立った縮みは生じなかった。
何か対策がしてあるのだろうか?
30.0[mm]でモデリング → 29.9[mm]で造形
20.0[mm]でモデリング → 20.0[mm]で造形
10.0[mm]でモデリング → 10.0[mm]で造形
(2) X方向, Y方向(=水平方向)の造形精度
X or Yの差が見られなかったので、両方まとめて載せておく。
10.0[mm]でモデリング → 9.9[mm]で造形
10.0[mm]でモデリング → 9.9[mm]で造形
30.0[mm]でモデリング → 29.8[mm]で造形