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1. やりたいこと
脱超初心者を目指し、
(10) コンデンサを知る
(11) トランジスタを知る
ではそれぞれの基本を学習した。
今回はその学習の成果として、コンデンサとトランジスタを使用した回路を組んでみたい。
見た目にわかりやすいテーマがよいので今回も LEDを使う。
今回は、コンデンサとトランジスタを使ってLEDを点滅させてみる。
2. 設計
(1) テーマの選定
こちらの資料を参考にさせていただいた。m(_ _)m
大学の教育実習のレポートのようなので、電子工作入門の真っ最中である自分にとって最適な教材だ。
http://ir.lib.u-ryukyu.ac.jp/bitstream/20.500.12000/25114/1/No80p095.pdf
(2) 回路図
今回のテーマの通り、コンデンサ1個とトランジスタ2個を使用している。
コンデンサの容量と抵抗の大きさは、実験中にいろいろと変えて点滅速度を調整してみる。
※疑問点
1) コンデンサの向きはこれでよいのか?
放電時にコンデンサから NPNの Baseに電流を流したいのだからこれでよいと思うのだが…
似たような回路を掲載しているサイトでは極性を逆にしているものも多い。
どちらが正しいのか? 要調査
2) コンデンサを GNDではなく LEDに繋げているのはなぜ?
(3) 解説
超初心者が解説とはおこがましいが、忘れたときのために自分への解説を書いておく。
1) 電源ONすると
・電源投入時、PNPと NPNは OFF状態だ。
・このとき電流は R1のルートを流れる。
・そして Cがどんどんと電荷を蓄積し始める。→ 電圧・抵抗が上がる。
・NPNの Bは当該トランジスタの順方向電圧値を超えるまでは電流が流れない。
2) Cがお腹いっぱいになると
・Cの蓄電が進んで電圧が NPNの順方向電圧値を超えると、電流は R1から NPNの Bへ流れ始める。
・NPNの Bが+の電荷を持ちベース電流が流れ始めると NPNが ONになる。
・NPNが ONになり NPNのコレクタ電流が流れ始めると PNPの Bが-の電荷を持つ。
・PNPの Bが-の電荷を持ちベース電流が流れ始めると PNPが ONになる。
・PNPが ONになり PNPのコレクタ電流が流れ始めると R2, LEDに電流が流れ始める。 → LED点灯
3) LED点灯すると
・PNPが ONになりこちらのルートを電流が流れ始めると、抵抗大の R1にはほとんど電流が流れなくなる。
・R1経由で電流を貰えなくなった Cは NPNの Bに向かって放電を始める。
・Cが放電し切ってしまうと NPNの Bが+の電荷を持てなくなり NPNが OFFになる。
・NPNが OFFになると PNPの Bも-の電荷を持てなくなり PNPが OFFになる。
・PNPルートでの LEDへの電流供給がなくなる。 → LED消灯
これを繰り返すことにより LEDが点滅するメカニズムだ。
間違っている点は気付き次第修正しよう…
3. いざやってみる!
(1) ブレッドボード上にパーツを配置
センスを感じられない配置だが仕方がない。
指先がぶきっちょなので狭いところにキツキツに配置するのが苦手なのだ。
(2) いざ実装!
こんな感じで実装した。
只今点灯中!
(3) 前述の「解説」を検証
テスターでいろいろな区間を計測してみた。
オシロ or ロジアナで複数線を同時に並べてモニタリングしたいのだが、そんな高価なものは我が家には無い…
モニタリングした結果を以下につらつらと記しておく。
・LED点灯中は R1の電圧が大きく落ち込み、LED消灯後は R1の電圧が 3Vに回復した。
・LED点灯直後に NPNベース電圧が落ち込み、LED消灯後は徐々に回復する。
→ これがNPNの順方向電圧を超えるとベース電流が流れ LEDが点灯する。
・コンデンサの容量を 100μFから 220μFに変更したら点灯時間が伸びた。
解説に記した通りの動作をしているようだ。
(3) 点滅周期を調整
・コンデンサの蓄電&放電の時間が短いと LEDの点滅周期も短くなる。
・R1の大きさで Cに与える電流を調整できる。 → 蓄電速度を制御できる。
・Cの静電容量で蓄電&放電の時間を調整できる。 → たっぷり貯められればなかなか消灯しない。
後日やってみる。
4. 所感
ゼロからこの回路を設計しろと言われたら絶対にできなかった。
天才秀才ではない平凡な自分なので、最初は何でも偉大な先人の真似事から始めるものと割り切っている。
いずれは自分で想像した物を作れるようになりたい。
3年後か、5年後か、10年後か…
趣味の世界なので何年かかってもよいと思っている。
参考情報
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11110895121
こんにちは。
私もコンデンサの向きとコンデンサのマイナス側の方向に疑問を持ちました。
その後、疑問は解決されましたでしょうか?
宜しければ、結果を教えていただきたく思います。
こんにちは。1年前の記事ですので返信がつくかどうかはわかりませんが、コンデンサの極性についてコメントです。
さて、コンデンサのベース側電位はNPNトランジスタのベース-エミッタ電圧(およそ0.7Vですね)となります。
ここでコンデンサのLEDにつながっている側の電位を考えますと、LEDが点灯しているときは順方向電圧ですからおよそ3V程度となります。
つまり、LED側電位の方が基本的には高い電位となるのです。そのためコンデンサはLED側を+として接続します。
実際にはある程度逆電圧にもコンデンサは耐えられますから、極性がどちらでも動作しちゃいますけどね(-ω-)/
残念ながら上記の解説は根本的に間違っています。LEDの電圧降下を無視した解説ですね。
LEDはある電圧に達するまで電流がほとんど流れません.これを順方向電圧降下(VF)といいます。VFは(電流が小さい場合)赤色LEDで1.6~2V程度です。
VFは、NPNがオンとなるベースエミッタ間電圧Vbe(約0.6V)より大きいので、最初にR1を通った電流は(VFが高い壁となって)Cの方へは流れずにNPNに流れ、両トランジスをオンさせます。そして、PNPから来た大きな電流と電圧により、コンデンサは(下が+に)一気に充電されると共に、LEDが発光するのです。
Cの充電が一気に進み両端の電位差が上がると、合計3Vの中で割りを食ったNPNのベース電圧が(マイナスにまで)下がり、トランジスタはオフになり、LEDは消えるわけです。その後Cが徐々に放電し電位差が小さくなるとNPNのベース電圧が回復し、Vbeを超えると再びオンとなりLEDが再び点灯するわけです。
したがって、貴解説と同様な動作説明をしているブログは、すべて間違いということになります。
(回路シミュレーターでお確かめください。)
LEDは、順方向でも、ある一定の電圧を超えなければ電流は流れない。 そして、超えた途端に大きな電流が流れるという特性があり、この電圧を「順方向電圧(順電圧)」という。
よって、以前にも私的したと思いますが、正しい解説は「LEDの順方向電圧がNPNのベースエミッタ間電圧Vbeより大きいので、それが壁となり、Rを通った電流はLEDの方へは流れず、即NPNに入り、両トランジスをオンさせる。そして、PNPから来た大きな電流と電圧により、Cが(下がプラスに)一気に充電されると共に、LEDが発光する。」であります。
(コンデンサは、バッテリーと同様に、一方の端子にいくら電圧をかけても、もう一方の端子が電流を通さなければ充電しません。)
「その後、CがRとLEDを経由して徐々に放電して電圧が下がると、LEDにかかる電圧も下がり、LEDは消える」わけです。
したがって、貴解説は間違っており、図のCのプラス・マイナスも逆になります。
冒頭の参考資料の解説が間違っている旨を琉球大学に指摘してところ、間違いを認めて、同資料は削除されました。
(回路シミュレーターで確認ください。例えばhttp://www.falstad.com/circuit/circuitjs.htmlは、電流の流れや電流電圧の変化がわかり、LEDも発光するのでお勧めです。シミュレーションスピードをゼロ近くにすれば、LEDが最初に発光し、その後Cが徐々に放電するのがわかります。また、同様な回路の詳しい動作説明が書かれたブログhttp://blendermappython.web.fc2.com/LTspice-relax/led/led.htmlも参照ください。)