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1. やってみたいこと
前回 (21) 【1-1】マイコンで電子工作入門:選定 では、「マイコンボードで電子工作」の作業環境として Raspberry Pi を使うと決めた。
今回は、購入したばかりの Raspberry Pi 3 model B を使いやすいようにセットアップしておきたい。
具体的には、以下のようにセッティングする。
1) Raspbian OSをインストールする。
2) 無線LANでインターネット接続できるようにする。
3) SSHでリモート操作できるようにする。
また別のラズパイを買ったときに迷わないように手順を記録しておく。
2. ラズパイを入手
Raspberry Pi 3 model B と Raspberry Pi Zero WH のどちらにしようか迷ったが、今回は前者を購入した。
今回購入したのはこの 4点で合計 7,260円 かかった。
1) Raspberry Pi 3 model B
2) ACアダプター(5V, 3A)
3) micro SDカード 16GB
4) ラズパイ用ケース(透明)
何か月間もお小遣いを貯めずに買うことが出来る、大人でよかったと思える数少ない機会だなぁ…
ラズパイのセットアップをするためには、他に以下の物が必要だ。
1) USBキーボード
2) USBマウス
3) HDMIケーブル
4) ディスプレイ(HDMI入力端子付き)
3. Raspbian OSのインストーラーを入手
ラズパイにインストールする Raspbian OS のインストーラーを入手する。
Raspbian OSは、 Raspberry Pi財団公式の OSだ。
インストーラー入手の詳細手順はこちらの公式ページに書かれている。
(1) NOOBSをダウンロードする。
公式サイトから Raspbian OSのインストーラーである NOOBS をダウンロードする。
2018年4月30日時点の最新版は ver.2.8.1 だ。
ダウンロード速度があまりにも遅いときには…
ミラーサイトがいくつかあったので、そちらを利用したら 10倍ぐらい高速に(でも1時間以上)ダウンロードできた。
「NOOBS mirror」でググるとたくさん出てくる。
(2) micro SDカードに入れる。
1) 上でダウンロードした圧縮ファイルを解凍する。
2) micro SDカードを FAT32 でフォーマットする。
SD Associationが公開している SD Memory Card Formatterを使ってもよい。
3) 解凍して展開されたファイル一式を micro SDカードにコピーする。
4. Raspbian OSをインストール
(1) 電源ON
1) ラズパイ本体に、上で NOOBSを入れた micro SDカードを挿す。
2) ラズパイ本体に、USBマウス、USBキーボードを挿す。
3) ラズパイ本体に、HDMIケーブルを挿し、ディスプレイと接続する。
4) ラズパイ本体に、ACアダプターを挿す。
→ スイッチがないので自動的に電源ONになる。
こんな感じになった。
(2) インストール実行
1) インストールOS一覧から Raspbian OSを選択する。
2) キーボード種別は「jp」を選択する。
3) [Install]ボタンを押下してインストールを開始する。
インストール完了まで 30分ぐらい待つ…
Raspbian OSのベースは debian linux とのこと。
(3) インストール完了
普通のパソコンみたいな画面が現れた。
5. 無線LAN接続設定
(1) WiFiルーターと繋ぐ
Raspberry Pi 3 model Bには無線LAN子機が実装されている。
ミニミニなラズパイの筐体に大蛇のような LANケーブルを接続して使うのはイヤだ。
→ 自宅内の無線 LANルーターに無線接続させる。
画面右上のネットワークアイコンをクリックし、自宅 WiFiルーターの SSIDを選択し、パスワードを入力する。
(2) 固定IPアドレス設定
ミニミニなラズパイの筐体にこれまた巨大な HDMIケーブルを繋げて使うのはイヤだ。
でも、ラズパイとディスプレイを無線接続することはできない…
そこで…
ラズパイはヘッドレスで使うことにする。
すなわち…
Windowsパソコンや Linuxワークステーションから SSHでリモートログインしてラズパイを操作する。
このときに DHCPで動的に IPアドレスが割り当てられていると不便なので、固定IPアドレスを割り当てておく。
1) 画面右上の WiFiマークを右クリックし [Wireless & Wired Network Settings] メニューを選択する。
2) 自宅の WiFiルーターの SSIDを選択し、固定IPアドレスを設定する。
6. OSを更新
最新の NOOBSから Raspbian OSをインストールしたばかりだが、NOOBSリリース後にいくつかの個々のパッケージが更新されている可能性があるので、念のために OSを更新しておく。
Terminalを起動し、まずはインストール可能なパッケージ一覧を更新する。
sudo apt-get update
続けて、ラズパイにインストール済みのパッケージを更新する。
sudo apt-get upgrade
※この OS更新作業はちょくちょくやること。
7. タイムゾーンを変更
1) [Menu]-[Preferences]-[Raspberry Pi Configuration] メニューを選択する。
2) [Localisation]タブを選択する。
3) [Set Timezon]を押下する。
4) [Japan」を選択し [OK]を押下する。
8. piユーザーのパスワードを変更
Raspbian OSをインストールした直後の状態では、piユーザーのパスワードは以下の通り。
・USER: pi
・PASSWORD: raspberry
危険なのでこれを変えておいた方がよい。
1) [Menu]-[Preferences]-[Raspberry Pi Configuration] メニューを選択する。
2) [System]タブを選択する。
3) [Change Password]を押下する。
4) 新しいパスワードを入力する。
また、コマンドラインからでも同じことができる。
1) Terminalを起動し、raspi-config を起動する。
sudo raspi-config
2) 「1 Change User Password」を選択する。
3) 新しいパスワードを入力する。
9. SSHを有効化
リモートで SSH接続してラズパイを操作できるようにする。
1) [Menu]-[Preferences]-[Raspberry Pi Configuration] メニューを選択する。
2) [Interfaces]タブを選択する。
3) [SSH]を [Enable]にし、[OK]を押下する。
また、コマンドラインからでも同じことができる。
1) Terminalを起動し、raspi-config を起動する。
sudo raspi-config
2) 「5 Interfacing Options」を選択する。
3) 「P2 SSH」を選択する。
4) 「enabled?」の問いに対して [Yes] を選択する。
Windows10パソコンから Teratermや Puttyでラズパイに入れるようになった。
10. 所感
マイコンボードと呼ぶよりは Linuxパソコンだなこりゃ。
無線LAN経由で SSH接続してラズパイを操作できるようになった。
→ 物理的に接続する必要があるのは電源ケーブル 1本だけになった。
スッキリスッキリ!
BEFORE
連載
Raspberry Piの初期設定から簡単な動作実験まで、以下はマイコン制御入門の連載です。
(21) 【連載1-1】マイコンで電子工作入門:選定
(22) 【連載1-2】マイコンで電子工作入門:ラズパイ初期設定
(23) 【連載1-3】マイコンで電子工作入門:LED点滅 ←次回
(24) 【連載1-4】マイコンで電子工作入門:時報を作る
(26) 【連載1-5】マイコンで電子工作入門:サーボモーターを廻す
(27) 【連載1-6】マイコンで電子工作入門:合成音声で時報