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1. やりたいこと
我が家には、電池で動かす子どものおもちゃがいくつもある。
中には、長時間稼働し続けるおもちゃもあり、子どもの成長に伴って 電池の消費量が増えている。
これ(↓)は、我が子が特にお気に入りのおもちゃだ。
単三電池2本で動かすおもちゃだが、購入して半年が経過したころから 電池がポロポロと落下 するようになってきた。
そこで…
電池の落下を防ぐための工作ではなく、電源を電池から ACアダプターに変える ための工作をすることにした。
2. 改造の方針
1) 単三乾電池2本で動かすおもちゃなので、出力が DC 3.3Vの ACアダプターから電源供給 する。
2) おもちゃの 背面に穴を空けて DCジャックを嵌め込み、そこに ACアダプターのコネクタを挿す。
3. 工作に必要な物
以下の物を用意する。
(1) 出力 DC 3.3Vの ACアダプター
秋月電子さんで以下の物を 650円 で購入した。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-02212/
ACアダプターの仕様に注意して選定すること。
出力電圧: 今回は乾電池2個直列の代替なので、3V~3.3Vの物を選ぶ。
出力電流: 事前にテスターを用いて、おもちゃを電池で動かしたときの電流値を計測しておき、それを十分に超える物を選ぶ。
極性:センタープラス(=DCジャックの中心側が+極、外周が-極)→ 自分で結線時に注意すればよい。
プラグ: 使用する DCジャックの外径 5.5mm, 内径 2.1mm → DCジャックを選ぶときに注意すればよい。
電流値に関しては、今回はおもちゃのモーター1個を動かすだけなので 2Aあれば十分だろうと推測…
大は小を兼ねる。
(2) パネル嵌め込み用 DCジャック
秋月電子さんで以下の物を 60円 で購入した。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-06342/
上記(1)と同じサイズの物を選ぶこと。
すなわち…
プラグ: 外径 5.5mm, 内径 2.1mm
であること。
(3) パネル穴あけ用ドリル
おもちゃの背面に上記(2)の DCジャックを嵌め込むための穴を空ける必要がある。
ここで必要になるのが電動ドライバーとドリルだ。
電動ドリルドライバーはホームセンターで 2,000円 前後で売っている安い物で問題ない。
注意点としては、使用するドリルと六角軸径を合わせる必要がある。
六角軸径 6.35mm の物が一般的なので、これを選べばよい。
上記(2)の DCジャックのネジの外径は 8mmなので、おもちゃの背面に直径 8mmの穴を空ける必要がある。
このとき、以下の二段階で作業するときれいに穴を空けることが出来る。
第一段階: 3mmほどの細いドリルで下穴を空ける。
第二段階: スパイラルステップドリルで穴を直径 8mmに広げる。
以下のような電動ドライバーに挿入して使えるドリルを入手する。
近与(KONYO) SUN UP ドリルビットセット 10本組【amazon】
上側のような下穴用のドリルは、百均の DAISOさんで 1本 100円 でも購入できる。
(4) はんだ、はんだ小手、電線
これもホームセンターで電子工作用の安価な物を購入すればよい。
普段は電子工作をしない家庭でも 1セット持っておけばちょっとした修理などで使えて重宝する。
白光(HAKKO) PRESTO 急速加熱はんだこて 20/130W(スイッチオン時) 耐熱キャップ付き 984-01【amazon】
ワイヤーストリッパーは必須ではないが、あると電線を剥くのに便利だ。
カッターやハサミを使っても電線を剥くことは出来る。
ベッセル(VESSEL) ワイヤーストリッパー 3500E-2【amazon】
4. いざ工作!
1) おもちゃの背面にドリルで穴を空ける。
上記3で書いたように
第一段階: 3mmほどの細いドリルで下穴を空ける。
第二段階: スパイラルステップドリルで穴を直径 8mmに広げる。
の手順で直径 8mmの大きさの穴を空ける。
Q. なぜ 8mmの穴なのか?
A. それは、購入した DCジャックのネジの外径が8mmだから。 上記3.(2)のリンク先の寸法図を参照のこと
http://akizukidenshi.com/download/ds/marushin/mj-14.pdf
(1) 3mmの細いドリルで下穴を空ける。
(2) スパイラルステップドリルで穴を直径 8mmに広げる。
こんな感じで直径 8mmの穴が空いた!
2) 穴に DCジャックを嵌め込む。
DCジャックのナットを外す。
DCジャックを穴に差し込む。
DCジャックのナットを締める。
こんな感じで、おもちゃの背面に DCジャックを固定した。
3. DCジャックと電池ボックスを結線する。
DCジャックの+/-端子と電池ボックスの+/-端子を接続する。
これにより…
DC 3.3V ACアダプターから入力された電流を、おもちゃを駆動するモーターに伝えることが出来る。
(1) 電線を適当な長さに切り、両端を剥く。
このおもちゃの場合は DCジャックから電池ボックスまでの距離が 5cmほど。
よって、両端 1cmずつを剥くことを考慮して 7cmほどの長さに電線を切った。
(2) DCジャックと電池ボックスを結線する。
1) DCジャックと電線
2) 電池ボックスと電線
をはんだ付けする。
【注意点】
今回使用する ACアダプターの極性は、上記3.(1)に記したように センタープラス である。
すなわち…
DCジャックの中心側の端子と電池ボックスの+極側を結線すること。
以上で工作が完了した!
5. 残件
今回の実装では、
1) ACアダプターからの電源供給
2) 電池ボックスからの電源供給
の両者が並列に接続されている。
このため…
誤って 1)と 2)の両方から電源供給した場合(=電池を入れた状態でAC電源を挿した場合)に ACアダプターを破壊する危険性がある。
よって…
・3端子DCジャックを使用する。
or
・リレーやダイオードなどを実装する。
などにより、両者が排他的に動作するように改造 したほうがよい。
6. 所感
・ACアダプターは、同じ形状の DCジャックで 3.3V, 5V, 9V, 12Vなどが混在する。
→ 誤って挿しても問題ないように、おもちゃ側に降圧回路を実装した方が安全だ。
→ おもちゃ側の実装面積が大きくなってしまう。
→ 何を優先すべきか迷うが、子どものおもちゃなので安全が最優先だろう。
7. 参考情報
本投稿の内容を YouTube動画にしました。どうぞご覧ください!