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1. やりたいこと
国土地理院が発行するDEMを使って富士山の3Dモデルを作ります。
そして…
これを3Dプリンターで印刷して卓上に飾れる富士山を作ります!
お気に入りの山のリアルな模型を作って飾れるなんて、測量屋の端くれとして嬉しい限りです。
涸沢カール、開聞岳、日光白根山などなど…
お気に入りの山々をどんどんと卓上に飾りたい!
2. やってみた
↓↓↓ やったことをこちらの動画にまとめました。↓↓↓
1) 国土地理院の3D地図ページを開きます。
2) 標高データが欲しい範囲を指定します。
1. 地図の大きさを自由に変えて、スケール(=DEMの水平方向のメッシュサイズ)を選択します。
2. 「機能」-「3D」メニューを選択し、赤い矩形のサイズを変更して DEMの切り出し範囲を指定します。
※DEM(Digital Elevation Model):数値標高モデル
※元となる DEMはラスタデータで、最大サイズは縦横 2048 x 2048点です。
※カスタム指定すると、最大サイズを上限とした任意の範囲の切り出しができます。
3) 標高データをSTLファイル形式で取得します。
「STLファイル」と書かれた行の右端にある [ダウンロード] ボタンを押下し、STLファイルをダウンロード&保存します。
4) STLファイルを Blenderで配置し直します。
1. 無料の 3Dモデリングソフト Blender を起動します。
2. [Import]-[STL]メニューを選択し、ダウンロードしたSTLファイルを読み込みます。
3. オブジェクトが ZX平面上に配置されているので、X軸上で90度回転して XY平面上に配置します。
4. XY平面上を水平移動して、ビューの中心にオブジェクトを配置します。
↓
5) スライサーソフトで3D印刷データを作ります。
今回使用した 3Dモデルの場合、10cm x 10cmの平面上に高さ約 4cmの富士山を印刷しました。
スライサーソフトが出力したスライスデータは以下の通りです。
・印刷層数: 244層
・推定印刷時間: 5時間29分
・推定樹脂使用量: 10.6m
6) 3Dプリンターで印刷します。
■初回、問題発生…
・台座から部分的に樹脂が浮き上がり、印刷にムラが出来てしまいました。
→ 印刷中断 台座の左上部分は特に熱が伝わりにくい?
■2回目、改善
・スライスデータ作成時に、台座の温度設定を 50℃から 60℃に変更しました。
→ 台座からの樹脂の浮き上がりの発生をだいぶ抑制できました!
→ 完成まで印刷続行
しかし…
四隅の一つが台座に密着せず、台座から浮き上がってしまいました。
↓
樹脂が勿体ないので実験はしませんでしたが、次回同様のデータを印刷時には、ラフトを付ける or さらに台座の温度を上げるなどして現象が改善されるかを確認してみます。
3. 所感
・台座の温度設定が難しいと感じました。
・初回失敗時の印刷の様子を眺めていて感じたのは…
・台座上の位置により温度にムラがあり、樹脂の密着度合いに差がある様子
・台座中央から半径 3cmほどは安定している様子
・そこから離れるとムラが大きくなる
・特に台座中央から左上側でムラが大きく、樹脂の剥がれが多い
→ 台座が歪んでいて平坦ではない? or この個体特有の問題?
→ 台座だけ販売されているので交換頻度の高い消耗品なのか? (10回も印刷していないが…)
・スライスデータ作成時、オブジェクトの下にラフトを敷いてみると改善するかもしれません。
→ 後日類似したデータを印刷時に試してみます。
・スライスデータ作成時、台座の温度を 65℃以上に設定してみると改善するかもしれません。
→ 後日類似したデータを印刷時に試してみます。